紙知識

紙選びのポイント

使う前に見極めたい「紙の流れ目」

紙を製造することを「抄造」といいます。
紙料から水を濾して紙層を形成させ、抄造する過程では、パルプを一定方向に流しながら行うため、
繊維がその進行方向にそろいやすくなります。
こうして発生した繊維の向きを「紙の目なり」や「紙の流れ目」と呼びます。
紙を扱う際には、用途にあわせてこの「目」を見極めることが大切です。

使い分けたい「縦目」と「横目」の性質

紙はライン上で抄造されると、ロール状に巻き取られた状態になります。
その際、「紙の流れ目」は一方向になっていますが、シート状にカットするときの向きによって、「縦目」と「横目」の違いが生まれます。
両者の性質の違いは使用用途に大きく影響するため、それぞれを使い分けることがポイントです。

 

縦目(T目・タテ目)の紙

紙がすかれた方向(長辺)に、繊維の流れが平行している紙のことを差します。

横目(Y目・ヨコ目)の紙

紙がすかれた方向(長辺)に対して、繊維の流れが直角になっている(=短辺に平行している)紙のことを差します。

表示方法 788mm×1091mm と小さい数字を先に表記。 1091mm×788mm と大きい数字を先に表記。
使いこなす
ポイント
●折るとき
紙の目に沿って折ると折りやすく、折り目も割れにくい。
逆に、垂直に折ると折りにくく、折れ目も割れやすい。
●破るとき
紙の目に沿って破ると破りやすく、きれいに裂ける。
逆に、垂直に破ると破りにくく、きれいに裂けない。

紙の重さを表す「坪量」と「連量」

坪量

連量

紙を取り扱う際、重さを表す言葉としてよく使われるのが、
「坪量(つぼりょう)」と「連量(れんりょう)」の2種類です。

「坪量」とは、面積1m2当たりについての紙1枚の重量のことで、
◯◯g/m2と表示します。
ほかに、「米坪(べいつぼ)」、「メートル坪量」とも呼ばれます。

「連量」とは、規格寸法に仕上げられた紙1,000枚のことを1連(1R)と呼び、その重量をkgで表したものです。
板紙の場合は、100枚で1ボード連(1BR)とし、その重量をkgで表します。

紙の売買は主に重量で行われますが、
洋紙の場合は、

連量 × 数量÷1000 = 重量(kg)
(板紙の場合は÷100)

と計算することで求められます。
同じ量でも軽ければ薄く、重ければ厚いと考えられることから
「坪量」の少ない紙は「軽い」、もしくは「薄い」、反対に「坪量」の多い紙は「重い」、もしくは「厚い」といわれます。

これらを踏まえると、一定の坪量の紙を、大きい寸法(面積)で仕上げた場合、連量は重くなり、小さい寸法(面積)で仕上げた場合、連量は軽くなります。