Structure, Folds, and Pages 紙とリソグラフ、製本

1枚の紙に版が層を成し、折り、綴じられる、その過程には名もない技術の断片が集積されています。本展では、グラフィックデザイン・印刷・製本加工、そのすべての工程を許容する紙という素材が頁になるまでの造形に目を向けてみます。
リソグラフ印刷は、米糠を用いたエマルジョンインクの性質によって、紙の持つ性質を印刷の風合いに引き継ぐことのできる印刷方法です。和紙とフィルムからなるインスタントな版の設計や風とローラーで用紙を送るプリミティブな機構、ズレを伴い均質にならない仕上がりと使い手を選ばない親密な操作性から、海外での隆盛を経て逆輸入されるかたちで近年は国内で再評価され、小出版の現場においても定着しつつあります。
リソグラフに限らず、印刷物や本づくりは複数の視点や技術・経験が紙を支持体として重なる場所でもあります。それぞれの工程は統合したり干渉しあうことはあっても、どれも欠けることなく鑑賞者の手元に集約されていて、すべての工程がひとつの包括的なマニュアルによって完結することは(めったに)ありません。
本展では、平和紙業の用紙を起点に、折形や製本の過程で折られた紙をモチーフにした伊藤健太のアートワーク、when press 岡田和奈佳によるリソグラフ印刷、中川京子による製本作品のそれぞれ異なる視点を通して、紙という素材について再考します。
名古屋で活動する実践者の視点から現れる紙のすがたを、新たに生まれ変わった「ペーパーボイス ヴェラム」にてご覧ください。
会期:2026年5月25日(月) ― 6月11日(木)
9:00~17:00 [土日休館]
会場:平和紙業株式会社
ペーパーボイスヴェラム
名古屋市中村区名駅3-5-4
TEL 052-223-2314
印刷協力:when press
主催:平和紙業株式会社
参加者:伊藤健太(グラフィックデザイン)
岡田和奈佳(印刷/デザイン)
中川京子(製本)


